「競馬を始めてみたい!」
「勉強したい!」
「もう少し当たるようになりたい!」
という方へ向けて、競馬の基礎基本、馬券との向き合い方、考え方を伝授する企画です。
「競馬は情報が多すぎて何を見ていいのかわからない…」
という悩みを抱えている人は多いと思います。
しかし「本質」さえつかんでしまえば、少ない知識で多くの応用を利かすことができます!そこで、一度覚えれば一生使える”予想力”をお届けします。
例えるなら、毎週ただただ予想していくのは、足し算や引き算を理解せずにテストに挑もうとしているようなものです。まず基礎基本となる足し算引き算を、じっくり理解していきましょう!
競馬ファン→競馬記者→競馬伝道師を経て、本気で競馬と馬券に向き合ってきた僕が、今までに抱いた疑問、大切だと思ったマインドをお伝えしていきます!
予想力向上講座③
~距離ロス少ない内枠が有利?~
競馬を見始めて素朴に思う疑問の一つ。
なぜ競馬は、内の馬も外の馬もスタートラインが同じなのか、と思いました。そして感覚的に、距離ロスの少ない内の方が絶対有利やろ!!と思っていました。
小学校の徒競走の時も、コーナーがあるトラックコースの場合、外のレーンに行くほど、スタートラインは前でしたよね!?笑
理由としては、競馬はまずセパレートコースではない、というのもありますし、安全上の理由で、ゲートを傾けることもできないと思われます。
そして実際に、多頭数の競馬においては、スタートラインの差はそれほど影響はないことがわかっています。
論より証拠で、まずこの1年間の枠順別データを見てみましょう。
距離ロスのない1枠が最も有利!?
と考えられますが、このデータを見ると、1枠の勝率7.0%は平均以下。それどころか、距離的に最も不利と考えられる8枠の7.1%すら下回っています。
馬券的な妙味を示す「回収値」に注目しても、1枠69%、8枠76%と、直感的な予想とは正反対のデータになりました。
このようなデータになるのは、簡単に言えば、内は窮屈、外はのびのび走れるからです。
競馬は最大で1レース18頭で行われます。頭数が多いほど、内枠の馬はごちゃつくリスクが増し、反対に外枠の馬は距離ロスをするリスクが増します。
距離ロスは感覚的に理解しやすいですが、「内枠の馬が馬群でごちゃつく」というロスに関しては、競馬をよく見ていないと理解しにくいです。
では内を通ることで不利になるのはどんなことか。僕が思う内枠のリスクを考えてみました。
①前が塞がる
最後の直線に入っても、進路があかずに全力疾走できないことが多々あります。
②動きたいときに動けない
周りを完全に包囲されているため、自分の好きなタイミングで動けません。最終的には①にもつながってくる話ですが、要は前の馬がバテてきたら、一緒に下がらざるを得ません。そこでブレーキをかけてしまうロスが生まれます。これはパトロール映像なんかまで見ないと気づきにくいですが、よくあります。
③そもそもストレス
人混みが苦手な人いますよね。それと同じで、馬によっては神経質で、周りを囲まれるのを嫌がる性格の子もいます。怖がりだったり臆病な馬は、力を発揮できないことがあります。そういう馬はブリンカーをつけて視野を遮断することで、激走することが多いですね。
④ダートの場合は砂が飛んでくる
ダートレースの場合は、前の馬が蹴り上げた砂が飛んできます。業界用語ではキックバックと言われることもあります。当然ですが、砂を顔面にかけ続けたら嫌ですよね?笑 精神的に強い馬なら耐えることもできますが、砂を被ることがプラスになる馬はいないでしょう。そのため、ダートの方が実は外枠有利だったりします。特に芝→ダート替わりの馬は、初めて被る砂に困惑して全く力が出せないパターンが多いです。
以上、4つのリスクから、競馬は必ずしも距離ロスの少ない内枠が有利ではない、と考えられます。
内枠が苦手だった思い出の馬の一頭にキョウエイカルラという馬がいます。
生涯で6勝を挙げましたが、その枠順を見ていくと、全てが5~8枠でした。晩年にこの傾向に気づいた僕は大変勝たせていただきました。笑
8枠に入ったキョウエイカルラが、69倍1着!
その後10着、15着と大敗し、また8枠に入って53倍1着!
さらにマニアックなことを言うと、このキョウエイカルラの父アフリートの子供のほとんどが外枠巧者、という個性があります。血統遺伝子的にも、のびのび走ることが好き、という馬もいるんですね!
このように、外を回って距離ロスをする以上に、のびのび走れることがプラスに働く馬もいるんです!
それゆえ競馬は、実際に走る距離だけで決して内枠有利になるわけではないのです!
最後に….
馬の気持ちをより理解できるように、小学校の徒競走も18人立てにしませんか!?(笑)
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